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2006年07月18日
Cowboy Bebop : すばらしいアニメ
あまり期待せずに見始めた Cowboy Bebop ですが、最初から最後までていねいに作られた作品はすばらしいものでした。
ビ・バップの名前の通りオープニングは50年代のジャズレコードのジャケット風です。映画「黄金の腕」のオープニングを思わせる出来の良さが期待を盛り上げます。DVDで連続してみるときはオープニングはスキップして中身だけ見ますが、この作品に限っては毎回楽しんで見ていました。
ひねったストーリーも軽すぎず、重すぎず、いい感じに進みます。米国のハードボイルドをうまく料理した大人のタッチがジャズにぴったりです。
アニメで気になるのが複数人のシーンで会話中は口パクのみで動きが無いのに、動きが入ると全員が同時に動き始めるという不自然さです。会話中の画を静止画ですませているためです。
しかしこの作品ではそのような場面でも画面の隅で動く物があったり、人物が微妙に動いているなど画面が死ぬことがないように配慮されています。
さらに群衆が逃げまどうシーンで全員がしっかり描き込まれて、動いているのには驚かされました。
こうしたていねいな作り込みが最初から最後まで貫かれているのです。
このような作品が続くのであればジャパニメーションの未来も安泰でしょうが、残念ながら現状はそのようには見えません。
・感性の面で韓国は日本の模倣を脱してアジアスタイルのオリジナルを作りつつあります。
・中国はアニメでも製造工場として急発展しています。
・アニメ後進国となった米国もCG技術だけは日々発展させています。
日本はこれらの国の追い上げに勝てるのでしょうか?
投稿者 tickets : 22:52 | コメント (0)
2006年07月02日
ジェネリック医薬品:昔の名前は「ゾロ薬」
最近「ジェネリック医薬品」のTVCMをよく見るようになりました。
昔は「ゾロ薬」と呼ばれていました、特許が切れたとたんに多くの会社からゾロゾロ出てくるからです。この名前には特許の切れた医薬品を作って安く売る商法に対する軽蔑の意味がありました。
これが「ジェネリック医薬品」と名前をかえたとたんに「医療費の高騰をふせぐ正義の味方」に変わってしまったようです。
A) 新薬を開発し、特許で独占して莫大な利益を上げる会社
B) 開発費をかけずに人の後を追いかけて安売りで稼ぐ会社
どちらが良いのか、悪いのか、簡単に結論を出す事はできません。リスクも大きく、莫大な開発費を必要とする新薬開発を続けるためには高い利益率を保証する必要があります。一方で独占という社会的悪を許容する見返りとして一定期間後に技術(特許)を自由に使用させることも必要です。
現在のシステムの元ではこの2者のバランスをうまく取る事が必要ですが、これがうまく機能しなかったのがHIV治療薬の場合です。オリジナル開発のファイザー社製品の価格が高く発展途上国では広く使用する事ができず、違法なコピー薬が出回りました。中には国がコピー薬を作らせていた例もあります。
知的所有権の観点からは当然コピー薬が悪いのですが、先進諸国にとってもHIVを根絶するために発展途上国での感染者数を減らす事が急務であり、対岸の火事視することができませんでした。その結果国際的にファイザーに対する圧力が高まり、結局発展途上国向けの価格が大幅に引き下げられました。
その結果コピー薬が減ったのかどうかまでは知らないのですが、以前よりは良い状態になったのでしょう。
しかし、このような構造を悪用してゾロ/ジェネリック薬品を使っていながら薬価の高いオリジナル薬を使った事にして違法に荒稼ぎしていた(している?)日本の医療機関が悪者であるのは明らかです。
「医は算術」とは未だにこの国での現実なのです。