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2009年04月19日
私がライブドアを擁護する理由
前回はライブドアを嫌う理由を書きましたが、一方でライブドアをつぶそうとする流れにはそれ以上の嫌悪感を持っています。
私はライブドア事件の骨格は新興勢力と旧来勢力との対決だと理解しています。新しい市場を作り出し旧来の市場の意味を無くしてしまいそうな勢いの新興勢力に対して既存の利益構造を守ろうとする守旧勢力が牙をむいたと考えています。年金問題、道路公団問題や金融期間の破綻のもたらした社会的、経済的影響はライブドア事件に比べてはるかに大きいのに責任者の法的責任が全く問われていないことを見れば恣意的な権力行使は明らかです。
ところでたたきつぶす対象はライブドアであり楽天が選ばれていますがソフトバンクが含まれていないのは既に守旧勢力側とみなされているのでしょうか(笑)
反撃は功を奏してライブドアは事実上つぶされ、楽天の放送進出も阻まれました。しかしその結果日本の戦闘力は大幅にそがれ、次世代への生き残り戦略も立てにくくなっています。
米国の電子/電機業界を例にとってみると、真空管時代の巨人達GE、Zenith、RCAなどはモトローラを中心とする新興勢力に追いやられトランジスタ時代が来ました。その後IC時代の到来とともにTIが取って代わり、LSI(CPU)時代の現在Intelが世界を牛耳っています。
注目すべきなのはそれぞれのパラダイムシフトが起きる際には前時代の産業は技術の一般化により生産拠点を海外に移して空洞化していたことです。半導体メモリーの生産で日本が米国を大きく上回っていたバブル期には日本が米国を買収するといった空論がまかり通っていたのは記憶に新しいでしょう。しかしいったんは敗北したように見えた米国はWintel(Microsoft+Intel)およびGoogleを軸としたソフトウェア、CPU、ネットワークという新しい価値を社会、経済の基盤に据えて復活し新しい千年紀を謳歌しています。
ひるがえって日本では官民が一体となって新興勢力を弱体化して旧い利益構造を守ることに汲々としていますが製造業の空洞化は確実に進行しています。一方中国では事実上の白色革命が進行しており、金が全てとの見慣れた価値観に向かって13億人が驀進しており、なんでもありの様相を呈しています。このような混乱の中から新しい技術、ビジネスそしてパラダイムが生まれてくるのです。
米中がかつての米ソの様に世界の二極としての世界制覇を目指しているときに次世代への芽をせっせとつぶしているのでは日本の未来はありません。
投稿者 tickets : 2009年04月19日 09:47