手持ちの小型モニターのControl 3
Proもウレタンエッジが破れてしまいましたが、このような安いスピーカでは高い金をかけて修理するのはためらってしまいます。そこでオークションでエッジのみを入手して自分で張り替えてみました。
なおこのスピーカの場合メーカー(ハーマン)ではエッジやコーンの張り替えは行っておらず、ウーファのユニット交換になり2個で10,500円かかります(2005年8月時点)
このようにつぶれ防止の台紙に入れて送られてきました。
マニュアルはメイルで送られてきたので、送られてきた商品はこれだけです。中身はこのようにエッジ2枚です。
スピーカを分解してユニットを取り出す
スピーカのクリーニング
エッジの貼り付け
スピーカの組み立て
これが今回作業したJBLのControl 3 Proです。
スピーカの分解
フロントのグリルは簡単に取り外せます。 6本のネジを6角レンチ(ヘキサレンチ)で取り外します。
上の2本のみ若干長いものが使用されています。フロントパネルはこのようにはずれます。
部分的にホットメルトで固定されていますが根気よく引っ張り出せば取り外せます。はずしたフロントパネルからウーファユニットを取り外します。 このように4カ所ネジで固定されています。
表面のボルト(ヘキサ)を回してもこのナットが空回りしてしまうので、ナットをラジオペンチなどで固定して取り外します。取り外したウーファユニットです。
クリーニング
エッジは完全に崩れてしまっています。
ガスケット(周辺の空気漏れどめ)は劣化していないようです。まずコーン表面のゴム糊状のものを丁寧に取り除きます。 カッターでフレームの周辺に貼ってあるガスケットを取り外します。
劣化が少なければ再利用できるのでカッターなどを使用して丁寧にはがしていきます。私の場合は再使用しました。
劣化が激しい場合には似たような素材で新しいガスケットを作ります。
フレームには劣化したウレタンエッジや糊が残るので割り箸ヘラとラッカーシンナーできれいに取り除きます。 糊を取り除くには割り箸を使用すると便利です。 このようにヘラ状になっているものを使用しますが、なければ削って使用します。 フレームのクリーニングが済んだウーファです。 コーンの裏側に残っているウレタンエッジとその下の糊は特に丁寧に取り除きます。コーンを傷めないように時間をかけて作業します。 ここに新しいエッジを貼り付けるので糊やウレタンが残っていると空気漏れの原因となります。
新しいエッジの貼り付け
購入した新しいエッジです。
ボンドGクリアーなどのゴム用の接着剤を用意します。
まずコーンに貼り付けるのでコーンの裏側に平らに薄く塗ります。
エッジの内側、上面にも薄く平らに塗ります。双方を軽く触れさせても貼り付かなくなるまで乾かします。
エッジをコーンの裏側に入れるので糊がしっかり乾いていないと意図しない場所に張り付いてしまい作業が順調に進まなくなります。ウレタンエッジをコーンの裏側に入れて慎重に位置決めをします。
エッジの位置が決まったら一カ所を指でしっかりはさんで固定します。
次に180度反対の位置を同様に固定します。
今度は90度の位置2カ所を同様に固定します。これで円周の4カ所が固定されたので均等になっているか確認します。ずれている場合にはいったんはがして貼り直します。
コーンを軽く押してガリガリ当たらないことを確認します。
位置が確定したら同様にコーンの全周を固定します。
続いてフレームの周辺に接着剤を均等に塗ってエッジの外側を固定します。このときは接着剤が乾く前にエッジを貼り付ければ修正が容易です。 さらにその上からガスケットを接着します。
ここでもコーンを軽く押してガリガリ当たらないことを確認します。
平らな面に下向きに置いたスピーカの上に重しを置いて1日乾燥させます。
これでエッジの張り替えは完了しました。
組み立て
スピーカの組み立ては下のように分解の逆の手順で行います。
作業前にはエッジがうまく貼り付けられるか心配でしたが、丁寧に作業したところきれいに張り替えることができました。スカスカに抜けていた低域が復活したので満足です。
実はControl 3 Pro の場合はここでかかった金額の2倍ちょっとを出せば新品のユニットを買えるので手間を考えるとあまりメリットはありません。しかし私の場合は、これは練習で本当の目的はブックシェルフ型(やはりJBL)のウーファの張り替えです。これは2本で8万円近くかかるものが、自分でやれば1万円以下でおさまるので大きなメリットがあります。これだけ差があると少しぐらい音が変わってしまってもがまんできそうな気がします(笑)