同軸デジタル→光デジタル変換器

読者の方から同軸のデジタルオーディオ出力を光入力のDSPに接続したいとの要望が寄せられましたので変換ボードを作成してみました。
この変換器を使用すると同軸出力しかないカロッツェリアのDVDナビからDSPに接続することもできました。

シンプルな回路で部品数も少ないので半田付けになれた方なら簡単に製作できます。特殊な部品は光送信モジュールだけですが、これも通販で入手できます。

製作したボードです。
手前中央のRCAコネクタに同軸信号を入れると手前右の光コネクタから出力されます。
左が電源(12V)、奥のLEDは電源ランプです。
 
     
  概要  
  対応機種  
  回路  
  使用部品  
  動作確認  
  製作したバージョン  
     
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概要

コンバータは下図のようにDVDプレーヤとアンプあるいはDSPの間に入れます。

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対応機種

このコンバータで動作を確認できた機種です。

入力側に接続する機種

同軸出力を持つDVDプレーヤ
        全機種動作すると思われます

カロッツェリアのDVDナビ
        AVIC XH9
           
○ DVDの再生音(5.1ch 対応)、CDの再生音
            × ミュージックサーバの再生音(IPバスにしか出てきません)、ナビゲーション音声

出力側に接続する機種

DSP

Alpine H-510
  光入力が入ると強制的に光りモードになり、アナログ入力は再生できなくなります。
  手動切り替えはできません。

使用できない機種

DSP

        Alpine H-600
                
デジタル音声のフォーマットが違うので再生できません。                       

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回路

回路構成は下記の通りです。ネットで見つけた回路を若干修正して使用させていただきました。
ポイントは光送信モジュールのTOTX179で、ロジックレベルの入力をレーザー出力に変換します。

COAX-INから入力されたデジタル信号は75Ωの抵抗で終端され、D1,D2の保護回路を通り最初のU1のインバータに加えられます。U1はC-MOSインバータのロジック回路ですが、ここでは出力から入力へのフィードバック抵抗R2とR1により、一種のOPアンプとしてアナログ増幅をしています。
以降の3段のインバータは波形を整えるためのもので出力はロジック信号になりTOTX179に加えられます。シュミットトリガの74HC14を使用すれば完璧ですが余ったインバータを使用しています。使用しないU1のインバータ二つの入力はGNDに落としておきます(C-MOSロジック回路のお約束)

電源部分は三端子レギュレータを使用しており、バッテリーからの10〜16Vの電圧からノイズの少ない安定化された5Vを生成します。 回路図では78M05となっていますが、放熱器をつけていないので余裕をみて7805を使用しました。

U1: 74HCU04

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使用部品

東芝製の光送信モジュールが入手容易です。千石電商では3種類ほどあつかっていますが、3本の端子(GND、Vcc、ロジックレベルの信号入力)しかないTOTX179を使用しました。パネルにネジ止めしてしっかり固定できることもメリットで す。
VccとGNDの間に入れるバイパスコンデンサ(C2)は端子のすぐそば(スペックシートによればそれぞれのピンから7mm以下)に取り付けます。

光送信モジュール
東芝 TOTX179 スペックシート(PDF)
千石電商で300円(2005年8月時点)で購入しました
U1: 74HCU04 スペックシート(PDF)
三端子レギュレータ 7805 スペックシート(PDF)
製作した基板です、同じ基板2枚を同時に作りました。
基板の製作についてはこちらを参照してください。

基板のパターンはここをクリックしてください。

   

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動作確認

カーオーディオへの実装

CAメンバーのFATれっくさんのアテンザに実装したところ問題なく動作しました。

DVDプレーヤの同軸出力をこのアダプタの入力に入れ、光出力をAlpineのDSP H-510の光入力に入れました。
H-510は光入力とRCA音声入力が同時に入ると光入力が優先されます。従ってCDなどを再生している時でもDVDプレーヤの電源を入れるとDVD音声に自動的に切り替わります。

 

手前がアダプタ、奥がDVDプレーヤです。
どちらもシガーライターソケットの12Vで動作します。
小型のDVDプレーヤです。
アダプタからの光ケーブルは助手席下のDSP H-510に接続されます。

 

DSP H-600でのテスト

AlpineのDSP H-600の光入力に接続してみましたが予想通り音は出ませんでした。
以前ポータブルDVDプレーヤからの光出力を接続したところ
H-510では再生できたのですがH-600では認識されず再生されませんでした。
H-600のマニュアルではAlpineの特定の機器からの光出力しか使用できないと明記されていますので特殊なフォーマットが使用されているのでしょう。

 

ホームオーディオでのテスト

Aiwa製の安価なDVDプレーヤの同軸出力からアダプタに入力し、光出力をYamaha製AVアンプの光入力に接続したところ サラウンドを含めて問題なく再生できました。

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製作したバージョン

プリント基板で作成したものです。
プリント基板の製作方法はこちらをご覧ください

手作りの基板とほぼ同じレイアウトです。
基板取り付けのRCAや電源コネクタの選定に苦労しました。
パターン面です、パターン作成はフリーウェアを使用しました。
   

車載専用のスペシャルバージョンです。
同軸入力と電源はコネクタを使わず配線を直接引き出しています。また光コネクタの突起を削って薄い筐体に入るようにしました。

本体部分です、右上に電源LEDがあります。
蓋を開けた状態です。
電源と同軸入力は基板から直接引き出し、振動による断線を防ぐためホットメルトで固定してあります。
右のミニプラグはカロッツェリアのDVDナビの同軸出力に接続します。
下のケーブルはAccに接続する電源とグランドです。
器材の設置場所に合わせて配線は短くしています。
Accに接続する電源ラインです、変換器を取り外せるようにギボシ端子で接続します。
ミニ平形ヒューズが入ります。
光ケーブルです、できれば30cm程度のものがよいのですが、50cmのものしか見つけることができませんでした。
狭いところに入れるので曲げ率を大きく取れるプラスティックコアを選びました、高級な石英コアはこのような用途には向いていません。
   

FATれっくさんの依頼で製作した第一バージョンです。ジャノメ基板に組み付けて手作り感満点ですが、回路は同じものです。これで動作が確認できました。この基板をお借りしてカロッツェリアのDVDナビでの動作も確認できました。

データのシンクロ率100%を誇る初号機の勇姿です。
私からは裸の基板の状態でお渡ししましたが、再会した時はアーマードスーツをまとっていました。これでショートの心配がなくなります。
テスト風景1
手前がアダプタ、奥がDVDプレーヤです。
どちらもシガーライターソケットの12Vで動作します。
テスト風景2
小型のDVDプレーヤです。
テスト風景3
アダプタからの光ケーブルは助手席下のDSP H-510に接続されます。
   

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