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2006年06月19日

GYAO:唯一成功したインターネットTV

USENが運営しているGYAOは、おそらく世界で唯一、顧客の取り込みに成功したインターネット動画配信サービスでしょう。

それまでいくつもの動画配信サービスが鳴り物入りで登場しながら失敗してきました。原因は単純です、提供しているコンテンツが貧弱で金を払って見るようなものではありませんでした。日本におけるキラーコンテンツは、どこもガンダムで差別化もできていませんでしたし、金を払っているのにビットレートの低い質の悪い画像ですからレンタルDVDと比べようもありません。

ところがUSENは最初から質、量共に見応えのあるコンテンツを用意して、しかも無料で提供しました。ビットレートも高く、質の高い画像を見る事ができます。これはUSENが次の時代のビジネスを模索しての先行投資と考えているからです。
当初はUSENのISP事業を拡大するツールとしてコンテンツを用意したのでしょう。しかしクローズドサービスではなく、他のISPのユーザーでも利用できる無料サービスとしたところにUSENのセンスのよさが光っています。その結果短期間で1,000万ユーザーを獲得しました。

USENは他社がペイパービュー方式を目指して失敗している中で、この視聴者数をベースにしたCMからの収入による民法TV方式を実現しようとしているのです。

しかし現在では投資に見合う収入はありません。コンテンツを揃えるためには映画会社等に前払い金を支払わなければなりませんから当分持ち出し状態が続きますし、その金額はUSENといえども大きな負担になります。
しかし決して勝ち目のない闘いではありません。一番の武器はTVに比べてはるかに有効なCMを提供できる事です。現在TVではZAPPING、あるいは録画してCMをとばしてしまうといった視聴形態が一般的になってCMの効果は大幅に減っています。
ところがGYAOではCMスキップも録画もできないシステムになっていて、強制的にCMを見せる事ができます。チャンネルを切り替えるように別の番組に切り替える事はできますが、元の番組に戻ると最初からの再生になるのであまり意味はありません。この結果CMの到達率は飛躍的に高まります。
さらにインターネットは双方向メディアですから視聴者の動向をとらえて最適なCMを送り込む事も可能です。

電波は免許制のもとで放送局の設置、運営には厳しい規制がかけられています。しかしインターネットは放送法による制限も(現在は)受けていません。電波のような到達距離の制限もありませんから世界のどこにでも放送局を設置できますし、設置コストも安価です。

新しいメディアの上で新しいビジネスが動き始めています。大きなエポックを目撃するだけでなく、参加できる時代に生きている幸せを感じています。

投稿者 tickets : 2006年06月19日 00:54

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