JBL SA-660 コピーの製作

以前JBLのアンプSA660のメインアンプ部の回路を使ってアンプを製作したことがありますので簡単にご紹介します。この回路はTサーキットと呼ばれる画期的なものでした。当時のトランジスタアンプは+だけの単一電源を使用しており、スピーカへ直流が流れないように大容量の出力コンデンサを使用していました。ところがJBLのTサーキットでは+と−の2電源構成で出力コンデンサを取り除くことに成功したのです。
今でこそこのような回路は当たり前になっていますが測定器用OPアンプのような構成で大電力を扱う回路設計はJBLの技術力を示しました。

下は回路シミュレータで作成したので普通の回路図とは若干違っていて、パラメータ測定のためのプローブなども書き込まれています。シミュレーションの結果はどこかにいってしまったので省略しますが、スピーカを8Ωの純粋抵抗としているので非常にきれいな特性になってしまい意味がありませんでした。実際のスピーカのモデルが入手できれば面白い結果が得られたと思います。
コンデンサ、抵抗も理想的なものとなっているので特に低域と超高域では実際の動作と異なっているでしょう。R12に並列で入っている2.2pFのコンデンサなどは回路の実装に応じて大きく値が変わるはずです。

電源も内部抵抗、インピーダンス成分の無い理想電源になっていますが、これは後述するようにあまり影響を与えないと思います。

SA660(メインアンプ部)回路図 PDF形式

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電源

電源は大型のトランスを使用し、電解コンデンサもオリジナルよりかなり大きなものを使用しました。オリジナルが設計された当時はトランジスタ用(低電圧)の良質で大容量の電解コンデンサが入手できなかったので、この点は改良されています。 ただ当時の部品の性能を前提として設計された回路に現在のすぐれた部品を使用した場合、かえって悪い結果になる場合もあります。

オリジナル回路では専用のマルチタップのトランスを使用して必要な電圧を作っていましたが、そのようなトランスは入手できないので適当なトランスのタップを駆使して倍圧整流と組み合わせたりして必要な電圧を作成しました 。このため発生するリップルを減らす意味でも大容量のコンデンサが役に立ちました。シンクロスコープで見たところ中音量までならリップルや電圧降下はほとんどありませんでした。
また消費電流の少ない前段は電圧レギュレータを使用して必要な電圧を作成しました。

筐体はSE400のコピーを作成したかったのですがダイキャスト風に作成するのは大変だったことと電源周りのパーツが大きくて原寸では収まらないためあきらめました。結局ころがっていたアルミ板と木を使って全くのオリジナルの筐体を作ったのですが、 そのために思い入れがない上にオーディオ機器をしまいこんでいた時期でもあり、作っただけで満足してほとんど使用したことはありません

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パーツリスト

使用するトランジスタを選定するために作成したリストです。この中から選んだ物を使用しましたが、実際に使用したトランジスタは下のリストに載っています。

トランジスタは販売店でHFEを測定してペアにして売っているものを使用しました。シミュレーションソフトではトランジスタの増幅率にベータ(β)を使用していますが実質的にHFEと同じ意味です。
前述したようにスピーカの特性を再現したモデルがないのでダイナミックなシミュレーションはまったくあてになりませんがスタティックな(直流的な)シミュレーションは役に立ちました。電源電圧をアンバランスにしてもスピーカにはほとんど直流がかからないことが確認できました。

PNP NPN 用途 Ic(A) Pc(W)
Ta=25
Pc(W)
Tc=25
HFE
(min)
HFE
(max)
Package
2SA872A 2SC1775A LF LN A 0.05 0.3   250 800 TO-92
2SA1085 2SC2547 LF LN A 0.1 0.4   250 800 TO-92
2SA1191 2SC2856 LF LN A 0.1 0.4   250 800 TO-92
2SA991 2SC1844 LF LN A 0.1 0.5   200 800 TO-92
2SA715C 2SC1162 LF PA 2.5 0.75 10 60 320 TO-126
2SB716 2SD756 LF HV A 0.05 0.75   250 800 TO-92MOD
2SA1145 2SC2705 LF A 0.05 0.8   80 240 TO-92MOD
2SA1020 2SC2655 PA/SW 2 0.9   70 240 TO-92MOD
2SA1248 2SC3116 HV SW 0.7 1 10 100 400 TO-126
2SB649A 2SD669A LF PA 1.5 1 20 60 200 TO-126
2SA1360 2SC3423 PA 0.05 1.2 5 80 240 2-8H1A
2SA1358 2SC3421 PA 1 1.5 10 80 240 2-8H1A
2SA985A 2SC2275A LF PA/HF PA 1.5 1.5 25 60 320 TO-220AB
2SA1006B 2SC2336B LF PA/HF PA 1.5 1.5 25 60 320 TO-220AB
2SA1292 2SC3256 HS PSW/PA 15   80 70 280 TO-3PB
2SA1227A 2SC2987A LF PA 12   120 60 320 MP-80
2SA1301 2SC3280 PA 12   120 55 160 2-21F1A
2SA1302 2SC3281 PA 15   150 55 160 2-21F1A
2SA941 2SC2088              

抵抗、コンデンサなどの受動部品と使用した半導体のリストです。

R101 240K 1/4W   C101 2μF 25V ケミコン
R102 10K 1/4W   C102 2.2P 125V スチコン
R103 240K 1/4W   C103 1500P 125V スチコン
R104 18K 1/4W   C104 120μF 10V ケミコン
R105 100 1/4W   C105 250μF 64V ケミコン
R106 100 1/4W   C106 80μF 25V ケミコン
R107 3.9K 1/4W   C107 160μF 64V ケミコン
R108 3.9K 1/4W   C108 0.1μF 250V フィルム
R109 82 1/4W   C109 75p   スチコン
R110 18K 1/4W     3300μF 80V ケミコン
R111 82 1/4W     27000μF 80V ケミコン
R112 82 1/4W          
R113 330 1/4W   D1〜D5      
R114 9.1K 1/4W   D6      
R115 910 1/4W   D7      
R116 220 1/2W          
R117 220 1/4W   VR1 1K    
R118 160 1/2W          
R119 10 1/2W   Part #   HFE  
R120 10 1/2W   Q1 2SA872A 250-800  
R121 510 1/2W   Q2 2SA872A 250-800  
R122 510 1/2W   Q3 2SC3421 120  
R123 33 1/2W   Q4 2SC3421 120  
R124 33 1/2W   Q5 2SC1162 150  
R125 0.37 7W   Q6 2SA715 150  
R126 0.37 7W   Q7 2SC3421 120  
R127 10 1W   Q8 2SA1358 120  
R128 2.7 1W   Q9 2SC2987A 180  
R129 100 1/4W   Q10 2SA1227A 180  

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